佐藤隆太 取材会レポート
兵庫県立芸術文化センターにて佐藤隆太さんの取材会が行われました!
撮影:飯島 隆
台本を読んだ感想は?
震災を題材にした作品ですが、描かれているのは一人の人間が抱える痛みや傷、そしてそれに人生をかけて向き合っていくという普遍的なテーマに深く共感しました。心にじーんと染み入るような素敵な話だと感動し、ぜひ出演したいと思いました。
今回の役どころを教えてください。
家業である老舗旅館で働く、25歳と55歳の桐野雄介を演じます。25歳の雄介はどこかチャランポランで、人生に迷いを感じている青年です。そんな彼が自分とどこか似ている17歳の神崎ひかると出会い、対峙することで、再び前に進む力を取り戻していきます。雄介は震災によって大きく人生が変わりますが、心の奥に痛みを抱えながらも、表に出さずに生きていく姿が印象的です。自分にも重なる部分があって、雄介をとても近くに感じます。
今回演じる桐野雄介と、佐藤さんご自身との共通点は?
大人になりきれていないところなど、似てるところがすごく多いと感じています。僕は今45歳で、雄介は55歳という設定なんですが、10年後の自分を想像してみても、今の自分とそんなに変わってない気がするんですよね。雄介はどこか幼さが残っていて、その不器用さや感情がすぐに顔に出てしまうところなど、自分にも重なります。
台詞は関西弁ですか?
関西弁です!方言はどれも奥が深いですが、関西弁はイントネーションや言い回しがとても繊細で難しいです。あとは皆さんのジャッジが厳しい印象も(笑)。でも、台詞がしっくり馴染んできたときには、役に一気に近づけたような感覚になります。
これから関西弁指導の方にチェックしていただきながら、イントネーションを身につけていけたらと思っております。関西の方々には温かく見守っていただければ嬉しいです。
演出の栗山民也さんについて
栗山さんは演劇や舞台への愛にあふれていて、尊敬する演出家です。ちょっとシャイな印象もありますが、実はとてもチャーミングな方で、稽古場でもその魅力が自然と伝わってきます。豊富な知識と作品への深い理解をもとに、稽古ではさまざまな角度からヒントをくださるので、毎回新しい気づきがあります。7年ぶりに栗山さんの作品に出演できることが本当に嬉しくて、今回は前よりももう少し距離を縮められたらと思っています。
共演者のみなさんも信頼できる役者さんばかりなので、いいチームをつくって、丁寧に作品に向き合っていきたいです。
お客様にメッセージをお願いします。
芸術文化センターの開館20周年という記念すべき年に、この大好きな劇場に立てること、また栗山さんの作品に再び参加できることをとても嬉しく思っています。
『明日を落としても』は、そっと肩に温かい手を添えられたような感覚になる作品です。観劇後は少し心が軽くなって、優しい気持ちで劇場を後にしていただけるのではないかと思います。
また、お客様のご自身の人生と重ねながら、共感していただける部分が多くあるかと思います。ぜひたくさんの方々にご覧いただきたいです。劇場でお会いできるのを楽しみにしています!